今回は「レンタルサーバー」とは何かを初心者の方でも理解できるように優しく解説しようと思います。
まずは語源から。
「サーバー」の語源は何?
「server」の意味を調べると、「給仕人」とか「仕える人」という意味が出てきます。
また、「serve」の意味を調べると、「提供する」という意味が出てきます。
つまり、サーバーとは「サーブする人」「提供する人・もの」ということが分かります。
Wikiでは以下のように定義しています。
サービスを提供するコンピュータである。コンピュータ分野のクライアントサーバモデルでは、クライアントからの要求に対して何らかのサービスを提供する機能を果たす側のシステムを指す。
図で表すと下図のようなイメージになると思います。
サーバーの役割はクライアント(利用者)にサービスを提供することです。
例えば、「http://yahoo.co.jp」にアクセスすると「ニュース」とか「検索機能」とか「情報」を提供してくれます。
これが「サーバー」の役割です。
サーバーが利用者(クライアント)サービスを提供する手順
サーバーはクライアントからの要求(リクエスト)があって初めて処理をします。
クライアントが何もサービスを要求してないのに、勝手にサービスを提供することはありません。
サーバーがクライアントにサービスを提供する手順を細かく説明すると以下のようになります。
- クライアントがサーバーに対してサービスを要求する
- サーバーがクライアントの要求を受け取りクライアントに返すサービスを作る処理をする
- サーバーはクライアントにサービスを返す
- クライアントはサービスを楽しむ
このようなクライアントがサーバーにサービスを要求し、サーバーがサービスを返すシステムを「クライアント/サーバーシステム」と呼びます。
サーバーは何のサービスを提供しているのか?
サーバーは利用者(クライアント)にいろんなサービスを提供しています。
以下、一例です。
- ホームページを提供する →Webサーバー
- メールサービスを提供する →メールサーバー
- データを提供する →データベースサーバー
- アプリケーションを提供する →アプリサーバー
- 名前解決を提供する →DNサーバー
- 正確な時刻を提供する →時刻サーバー(ntpサーバー)
では、一般的なレンタルサーバーは何を提供しているのでしょうか?
一般的なレンタルサーバーは、「Webサービス」提供しています。
「Webサービス」は言葉を変えて言うと、「ホームページサービス」です。
つまり、一般的なレンタルサーバーは、主に「ホームページ」を提供しています。
レンタルサーバーはどんな仕組みになっているのか?
実は一般的なレンタルサーバーは高性能のコンピュータ、巨大なディスクで構成されていて、「みんなで共有」しています。
だから「共有サーバー」などと言われます。
図にすると下図のようなイメージになります。
巨大なディスクを持っていて、佐藤さんとか鈴木さんとかみんなで共有しているのです。
というと、「1人1台まるまる使わせてくれないの?」と思うかもしれませんが、その反面、低価格で利用できるというメリットがあります。
逆に「1台まるまる使ってもいいからその代り毎月3万円ね」と言われたら、そんなにメリットは感じないですよね。
何を基準にしてレンタルサーバーを選べばいいのか?
まずは「何をやりたいのか」をフワッとしたものでもいいので考えてみましょう。
いつくか参考事例を挙げてみますね。
WordPressでブログを作りたい
最近ではこれが一番よくあるパターンかなと思います。
逆に「htmlを手打ちで作ってペラサイトを作りたい」とかってないですよね(笑)
Webアプリを作りたい
PHPの勉強したい、Python、Ruby on RailsでWebプログラムを作成したいとか。
私もWebアプリを作成したいです。
だからPHP、Python、Rubyなんでも自由に使えるようにVPSサービスを利用しています。
MySQLを使いたい
MySQLが目的というのはあまり聞かないですが、アプリケーションを開発しているならデータベース専用マシンが欲しくなるかもしれませんね。
価格が安ければなんでもいい
これも選ぶ基準としては「大事」です。
自分だけしか使用しないし、最低限、htmlファイルをサーバーに作って表示させすればOKという方なら、価格が安ければ何でもいいかもしれませんね。
初心者でよく分からないのでサポートがあるレンタルサーバー会社がいい
見落としがちですが、実際にレンタルサーバー会社と契約してお金を払って使い始めるにあたって、これは非常に重要だと思います。
特に初心者の方の場合は、会社が終わって自宅に帰っても電話でサポートに連絡できるところがいいですね。
365日で且つ、8時~21時まで電話でサポートをしてくれるとか。
あとは、小さいことかもしれませんが、携帯電話から「0120」で発信できる会社がいいですね。
会社によっては、うわべだけ「0120」でフリーダイヤルをやってますよという形をとりたいために、固定電話のみ「0120」で受け付けて、携帯電話、IP電話からは電話料金が驚くほど高くなる「0570」で受け付けるという「えぐい商売をする」会社もあります(笑)
小さいことかもしれませんが、レポートに問い合わせたいと思っているなら「0120」か「0570」で月数千円の差が出るので注意です。
ディスク容量が大きいところがいい
これも重要です。
画像系、動画系を充実させたホームページを作ろうと思ったら、100GBなんてあっという間に使い切ってしまうと思います。
バックアップをちゃんとしてくれる会社がいい
バックアップを取るのは面倒ですし、定期的にきちんとバックアップを取るのは人間では無理です(笑)
それこそコンピュータの仕事です。
最初から「バックアップの取得」がサービスとして組み込まれている会社なら、バックアップ漏れもないですし安心して大切なデータを預けることができます。
セキュリティ対策をしっかりとしてくれるところがいい
最近は個人情報の流出問題が多いです。
そのうち「マイナンバー」もダダ漏れして、被害に遭って初めて気が付くケースが多く出てくると思います。
しかし個人情報を流出させた会社は遅かれ早かれ「倒産」すると思うので、セキュリティ対策をしっかりとしてくれるレンタルサーバー会社は非常にいいと思います。
セキュリティがいい加減なレンタルサーバー会社だと、あなたのホームページがウィルス感染したり、あなたのホームページを閲覧した人がウィルス感染してパソコンのOSが壊れてデータも消えてしまったなんてことになる危険性もあります。
そうなったらもう責任もとれないくらいの状況に陥ってしまいます。
レンタルサーバーを借りて失敗する事例
「レンタルサーバーを借りて失敗する事例」は、価格だけを見て決めて何ができるのかという機能を全く見ずに借りるケースが一番多いような気がします。
価格だけを見て機能をみてない
- ネットショップをやろうと思っていろいろレンタルサーバーを確認して価格が安いところを選んだが、肝心の機能が足りなかった。
- 1ヶ月100円程度だから借りた。でもブログもできないし、htmlのページだけしか置けない。サイト作成の知識がないから飽きて辞めた。
- 掲示板をやろうと持ったが、プログラムが動かなかった。
- WordPressもやらないし、将来もWordPressでホームページ作成は全く考えていないから、MySQLは必要ない。だから安いレンタルサーバーで契約をしようと思って安いレンタルサーバーを借りたが、やっぱりWordPressを使いたくなった。
- メールサーバーは考えてなかったから、とりあえず安いレンタルサーバーを選んだ。どうしてもメールサーバーを作りたくなったがメールサーバーとして機能しなかった。
こんな感じで価格だけで決めた結果、やりたいことができなくて止めてしまうか他のレンタルサーバーと契約をして余計な費用が掛かったというケースが多いです。
だから価格だけで決めるのではなく、①「何をしたいのか」②「将来何をしたくなるのか」をよく考えて、今は不要な機能でもなるべく多い機能を持っているレンタルサーバーを借りることをお勧めしたいです。
私も「絶対にWordPressを使いたくなることはないからMySQLは不要だ」と思って1ヶ月100円程度のレンタルサーバーを借りましたが、借りて1ヶ月もしないうちに「どうしてもWordPressでホームページを作りたい!」って思うようになったことがあります。
しかも2~3回あります(笑)
その都度、新規で契約したりドメインを移したり、データを移行したり、不要な費用や作業が発生します。
しかも移行に失敗して「絶望感」に襲われます(笑)
だから将来は考え方が100%変わるものだと思っていろんな機能が使えるレンタルサーバーを選んでもいいかもしれませんね。
レンタルサーバー以外に何があるのか?
「ホームページを作りたい!」
そう思ったら、レンタルサーバーを借りればいいのでしょうか?
初心者の方ならレンタルサーバーを借りるのが無難かもしれませんが、レンタルサーバー以外にもいろいろなサービスがあります。
レンタルサーバー以外のサービス
- 無料ブログ
- クラウド
- VPS
- 自宅サーバー
無料ブログ
例えば、超初心者ならレンタルサーバーではなく、「無料ブログ」でもいいかもしれません。
ライブドアブログ、アメーバブログ、はてなブログなど様々な無料ブログサービスがあります。
最近の無料ブログは、デザインをカスタマイズできたり、様々なパーツがあり、自分独自の個性を出すために作り込みもできます。
だから、まずは無料ブログから始めてみていいでしょう。
毎日ブログを書いて慣れてきたら自分でレンタルサーバーを借りて自分でホームページを作ってみる、という流れもいいと思います。
クラウド
代表的なクラウドサービスと言えば、AWSです。
AWSは、「Amazon Web Services」の略です。
ちなみに「クラウド」と「仮想」の違いですが、今は同じようなものだと思っても大丈夫でしょう。
どちらも目に見えない(と言っても、実際は高性能な物理サーバー群の中に複数の仮想サーバーが乗っているのですが)サーバーでサーバーの構築、バックアップ、設定が柔軟に行えるメリットがあります。
「クラウド」環境や「仮想」環境を使うのは、大きめの(エンタープライズ系の)企業が多いと思います。
言葉だとイメージが湧かないと思うので、分かりやすく図にしてみました。
厳密にいうと正確な図ではないかもしれないですが、イメージとしては「クラウド」も「仮想」もこんな構成になっています。
利用者には小さい仮想サーバーを1台まるまる提供し、利用者は「まるでそのサーバー1台がまるまる自分のものであるかのように」使うことができます。
という意味では、「クラウド」も「仮想」も同じようなものだと今は思ってください。
VPS
最近は格安のVPSサービスも増えてきました。
VPSは、「Virtual Private Server」の略で、日本語だと「仮想専用サーバー」と訳します。
イメージはクラウドと同じ以下の図のようなものだと思ってください。
VPSサービスも、利用者は「まるでそのサーバー1台がまるまる自分のものであるかのように」使うことができます。
以上、初心者向けのレンタルサーバーの説明でした。
ぜひ快適な「レンタルサーバー生活」を送ってほしいと思います!
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