次世代のインターネット通信プロトコル「HTTP/2」はWebの高速化が実現できると言われています。
今回は
- 「HTTP/2」とは何か?
- 「HTTP/2」を導入しているレンタルサーバー業者はどこか?
について調査してみました。
HTTP/2は夢のプロトコルとなるでしょうか。
HTTP/2とは?
HTTP/2はHTTPプロトコルのバージョン2です。
2015年2月17日にRFC7540で正式な仕様が文書化されました。
ちなみに前バージョンは「HTTP/1.1」です。
RFC2616として文書化されたのが1999年6月なので16年ぶりのバージョンアップということになります。
HTTP/2は、Googleが開発したWebサービス高速プロトコル「SPDY(スピーディ)」を基に開発されています。
具体的にHTTP/2は何が凄いのでしょうか?
ここが凄い1.HTTP/2は並列してダウンロードできる
今まではWebサーバーとブラウザの間でデータをダウンロードする際にシリアル(直列)に処理をしていましたが、パラレル(並列)にデータをダウンロードできるようになりました。
下図は「HTTP/1.1」の場合です。
Yahoo!のサイトにように画像がたくさんあるサイトを閲覧すると、1枚1枚画像をダウンロードして、終了連絡をしてから次のダウンロードが始まるという処理なのでブラウザに表示されるまで時間が掛かっていました。
しかし「HTTP/2」の場合は、下図のように複数画像(複数ファイル)を一気にダウンロードできるのでWebサイトの閲覧が高速化されました。
ここが凄い2.HTTPヘッダーを圧縮して通信する
簡単に言うと以下のような違いです。
- HTTP/1.1
→ データ部分を圧縮して送信
- HTTP/2
→ 「ヘッダー部分」&「データ部分」両方を圧縮して送信する
ここが凄い3.データをバイナリ化して通信する
さらにHTTP/2の「ヘッダー部分」と「データ部分」を圧縮後にデータを「バイナリ化」して送信します。
バイナリ化するのが何がいいのかというと、コンピュータは「バイナリ」で処理をしていますが、「バイナリ化することでコンピュータがそのままデータを読み込める」というところです。
HTTP/2の要件
常時SSL化が条件です。
その理由は、そもそもGoogleは「SPDY(スピーディ)」は
- Web表示の高速化
- セキュリティの強化
を目的に開発されました。
更に「Google Chrome」や「Firefox」は「SSL/TLS」で暗号化されていないサイトは「HTTP/2」を利用できないように制限することを決定しています。
また、Internet Explorerの後継ブラウザの「Microsoft Edge」の「HTTP/2」を利用するために「SSL/TLS」が必須になっています。
そのため、HTTP/2の恩恵を受けたいWebサイトは必ず「SSL/TLS」で常時SSL化(暗号化)が必要になります。
HTTP/2が使えるレンタルサーバー
さすがにまだ多くありません。
しかし今後「ロリポップ!」や「さくらサーバー」など「HTTP/2」の導入を検討している大手レンタルサーバー会社は多いです。(2017年5月現在)
そのため、現時点で「HTTP/2」を利用したい場合は、「VPS」か「専用サーバー」か「AWS」か「自宅サーバー」で独自で構築するか、以下のレンタルサーバーをレンタルするかしかありません。
その中ではMixHostが価格面・機能面など総合的に一番利用できると思います。
MixHost
知る人ぞ知る低価格でハイスペックなサーバーです。
月額がたったの480円でディスクは「SSD」、HTTPプロトコルは「HTTP/2」と高速Webサイトに特化しているレンタルサーバーです。
しかも嬉しいことに一番安い「エコノミープラン」から「MySQL」を使えます。
しかもMySQLのデータベースの数が無制限とこの価格でここまでサービスしてもいいのかと思うくらいの充実したサービスぶりです。
プラン | エコノミー | スタンダード | プレミアム | ビジネス | ビジネスプラス |
---|---|---|---|---|---|
初期設定 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額(1年契約) | 480円 | 980円 | 1,980円 | 3,980円 | 5,980円 |
ディスク容量 | SSD 10GB | SSD 20GB | SSD 40GB | SSD 60GB | SSD 80GB |
マルチドメイン | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
サブドメイン | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
MySQL | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
PHP | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
HTTP/2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
MixHostの公式ページはこちらからどうぞ。
TipWeb CLOUD
愛知発のレンタルサーバーです。
かなり攻めているベンチャー系企業という感じがします。
しかも以下のサービスを提供しています。
- 無料独自SSL(Let’s Encrypt)
- HTTP/2プロトコル
ただし若干料金が高めです。
MySQLが利用できる(つまりWordPressが利用できる)「スタンダードプラン」で1ヶ月3,298円です。
プラン | メールプラン | スモールプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン |
---|---|---|---|---|
初期設定 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額(1年契約) | 833円 | 1,658円 | 3,298円 | 4,948円 |
ディスク容量 | 1GB | 5GB | 10GB | 20GB |
マルチドメイン | × | × | × | 10個 |
PHP | × | ○ | ○ | ○ |
MySQL | × | × | ○ | ○ |
HTTP/2 | ○ | ○ | ○ | ○ |
HTTP/2をサポートしているWebサーバーアプリケーション
VPSや専用サーバー、自宅サーバーでWebサイトを運用しているなら自分でWebサーバーを「HTTP/2」に設定することが可能です。
ただし、バージョンが古いと対応していないので下記のバージョンをご確認ください。
- IIS (Windows 10)
Akamai Edge Servers
nginx 1.9.5
Apache 2.4.17
おもしろいと思ったのがAkamai Edge Serversも「HTTP/2」をサポートしていることです。
HTTP/2をサポートしているWebサイトかチェックする方法
サイト「keycdn」でWebサイトがHTTP/2に対応しているかどうかチェックが可能です。
1.以下のURLにアクセスします。
https://tools.keycdn.com/http2-test
2.URLに調査したいWebサイトのURLを入力し「Test」ボタンをクリックします。
3.結果を確認します。
※ちなみに当サイトはエックスサーバー上で運用しているので、HTTP/2に対応していません。
まとめ
運用が難しいからか、なかなか「HTTP/2」導入に踏み切ったレンタルサーバー会社は非常に少ないです。
365日24時間運用し続けるスキルを持った人材はそう簡単には集まらないのでしょう。
個人で導入する分にはハードルは高くないですが、大多数のユーザーを乗せて責任を持って365日24時間運用し続けるのは大変です。
もし導入するとしても既存のレンタルサーバープランに組み込むのではなく、新サービス、新プランとして展開してくると思います。
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