近年、IT業界では「クラウド技術」が盛んに利用されるようになりました。
様々なサービス形態がありますが、クラウド技術について勉強した際によく聞く用語である「プライベートクラウド」と「パブリッククラウド」の違いについて考察します。
更にそれぞれの「メリット」も挙げました。
そもそも「クラウド」とは何か?
クラウド ← cloud(曇る,~を曇らせる,雲で覆う,雲,大群,憂うつ,疑念など)
クラウドと一口に言っても、ITで言う「クラウド」の実体はあいまいで分かりません。
個人的には「クラウド」と聞くと一番最初に「Amazon Web Services(AWS)」をイメージします。
それくらい「AWS」イコール「クラウド」という意識が強いです。
クラウドは「リソースのコレクション」
AWS はいろいろなサービスを提供しています。
ほぼ毎日のように新サービスをリリースしているような印象です。
朝 AWS のマネジメントコンソールにログインすると、前日までなかったサービスがあったりします。
それくらい凄まじい勢いで新サービスをリリースしている感覚です。
AWSから「クラウド」というものを考えてみると
- サーバー
- ストレージ
- ネットワーク(FW、ロードバランサなど)
- サービス
などを提供している「リソースのコレクション」だと思います。
これらのリソースは「管理コンソール」から「起動」したり「新規作成」したり「削除」することができます。
クラウドはマルチユーザーが前提
AWSは様々なユーザーが利用しています。
例えば、EC2 は Xen 環境ですが、1台の Xen ホストサーバーに複数の仮想マシンが搭載されていて、多数のユーザーが利用しています。
つまち、マルチユーザー環境です。
そのため、それぞれのユーザーに「ID」と「パスワード」を与えています。
更に AWS の場合は、各 EC2 インスタンスへのログインに関しては「パスワード認証」ではなく「鍵認証」で固定されています。
こうして見ると以下のようにまとめることができると思います。
クラウド ← マルチユーザーが基本
- プライベートクラウド ← マルチユーザーがプライベート(会社内、会員内限定)
- パブリッククラウド ← マルチユーザーがパブリック(世界中の人が対象、限定なし)
プライベートクラウド
クラウドは「マルチユーザー(複数ユーザー)」が基本ですが、企業や団体など単一の組織によって運用されるクラウドを言います。
例えば、株式会社Aのプライベートクラウドに、株式会社Bなど他社のユーザーがアクセスをして仮想マシンを構築するということはありません。
プライベートクラウドは、通常は自社で運用管理されますが、外部の業者に運用管理を任せる場合もあります。
プラットフォームは「VMware」や「Hyper-V」などのライセンスを購入し、自社に合った構成で仮想環境を構築します。
プライベートクラウドのメリット
自社のイントラネット内にクラウド環境を構築することになります。
そのため
- 機密性、信頼性、可用性などを自社で設計することが出来る
- ブラックボックスではなく外部の業者任せではないためカスタマイズ度が高い
- 個人情報・機密情報を保存できる安心感がある
- ベンダー依存にならない
というメリットがあります。
パブリッククラウド
「AWS」や「Azure」などを利用する形態です。
そのため、仮想マシンを搭載するホストには自社だけでなく他社も相乗りをしています。
そのため各ユーザーに「アカウント」と「パスワード」を払いだして各自が別アカウントで運用する形になります。
例えば、先日 Intel CPU のバグで「Meltdown」と「Spectre」という脆弱性が発見されましたが、この脆弱性の何が問題かと言うと、パブリッククラウドの場合は多数の企業の仮想マシンが1つのホスト上に搭載されており、CPU のバグで他の企業の仮想マシンの情報を盗み見ることが可能になる点です。
1つのホストに多数の企業の仮想マシンが搭載されているということで特に問題になりました。
【Intel CPU 欠陥報道】Meltdown と Spectre と Intel、Google、AWS、マイクロソフトなど対応について
パブリッククラウドのメリット
巨大な IT 企業が構築したインターネット上の仮想マシンを利用する形態となります。
そのため
- 運用管理を丸投げできるため運用コストを削減することができる
- スケールアップ・スケールダウン・スケールアウト・スケールインが簡単にできる(柔軟に構成を変更できる)
というメリットがあります。
現在はハイブリッドクラウドで運用する企業が多い
「プライベートクラウド」「パブリッククラウド」それぞれに「メリット」「デメリット」があります。
現在は、1つに一極集中した構成ではなくそれぞれのメリットを活かして分散した「ハイブリッドクラウド」で運用する企業が多いです。
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